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ファッションモデルにもダイバーシティ化の波が来ているがセレブには関係ないことだろう

Unsplash / Pixabay

毎週通っている英会話教室ではニュース記事をもとにクラスのみんなとディスカッションをしている。今日のニュースはファッションモデルに関しての記事だった。

記事の概要としては、

これまでファッションブランドは女性なら痩せているべき、男性なら筋肉がついているべき、という価値観を売りにしてきて、ゆがんだ美の基準が世間に根付いてしまっている。それに対して近年ではアパレルメーカーもダイバーシティを重視しており、モデルの体型も痩せているだけでなく標準的な体型のモデルを起用したり、白人だけでなくアジア人や黒人を起用したり、障碍者のモデルを起用したりしている。

であった。

ゆがんだ美の基準:これを英語にするとskewed beauty standardとなる。このskewという英単語ですが、意味としては斜めにする、ゆがませるという意味で、あまりカジュアルに使われる単語ではないのですが、どこかで聞いたことがあるなと思って振り返ってみると、カメラの画像変換のところで聞いたことがあったなと思いだしました。

三次元の物理的な座標を画像に変換するときの変換行列は、レンズの焦点距離を, 画像中心の座標をとし、方向へのスケールファクターをとし、せん断係数をとすると、次のようにあらわされます[1], [2]。

このときのせん断係数のsがskewを表し、せん断係数は並行性は保つが直角性を保たないような変形、すなわち平行四辺形になるような変形、せん断変形を発生させる係数です。

さて、ファッションの話題に戻ろう。ファッションモデルの多様化は私個人としては歓迎するべきことだと思う。これまでモデルは白人のモデルばかりで正直、自分はおしゃれな服を着る資格がないと、宣告されているような気分であった。
SDGsに代表されるように人々の価値観が大きく変わりつつある。これまでの画一的な価値観ではなく、みんな違ってみんないい、みたいな価値観になってきている。

そうなったときにファッション業界はこれまでと同じ戦略でよいのだろうか。今の若者、さらにはその子供たちといった世代に見捨てられてしまっては企業は生き残れないだろう。特に大衆向けのファストファッション(Fast fashion)はダイバーシティに取り組まざるを得ない。そうしなければ客が離れて行ってしまって生き残れないのだ。

一方で、セレブを相手にしている超高級な服、オートクチュール(Haute cuture)を売っているメーカはどうだろう。こちらは何も変化せず、これまでと同じようなモデルを使い続けるのだろう。なぜなら、オートクチュールの役割としては究極的な理想形を常に追い求めることであるし、相手にするのは金の力でなんでも解決できるような連中である。こういうメーカは口ではダイバーシティに取り組みますと言いながらも、本質は何も変わらないだろう。

結局はダイバーシティと言いつつも特権階級の連中は何も変わらないのだろう。いつかそのおごりが彼らの立場を崩すと小市民の私は祈っている。

参考文献

[1]佐藤 淳著、コンピュータビジョン-視覚の幾何学-, コロナ社

[2]OpenCV calibrateCamera関数のプロになる
https://kamino.hatenablog.com/entry/opencv_calibrate_camera

 

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