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二次元と三次元、その先の次元は・・・

Snufkin / Pixabay

次元とベクトル:ベクトルを使って座標を表すことができる。
一次元なら、一つのベクトル(ベクトルではなくスカラー)、二次元なら二つのベ
クトル、三次元なら三つのベクトルで、任意の点を表すことができるという。
一次元はおいておくとして、二次元、三次元の座標を表すために使うベクトルは
どんなものでも良いのか?
いや違う。それらは一次独立と呼ばれる関係にないといけない。数式を使えば、
を満たすのはのときとなるようなベクトルの組み合わせで表すことができる。
私たちは三次元の空間で暮らしているので、三次元までで物事を考える。
しかし、数学や物理の世界であればさらに高次の次元まで拡張することができる。
すなわち、次元を次のようにあらわすことができる。

ただし、となるのは、
のとき
4次元は空間の時間的変化を考えると想像しやすいが、それ以上の次元は一体ど
うやって考えればいいのだろうか・・・

4次元のイメージ。時間軸に沿って空間が変化している。写真の場所は秋葉原駅前、写真は国土地理院が公開しているものを使用。
(http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do#1)

ところで、次元まで拡張したが、そんなにたくさんの次元を使って計算するこ
とがあるのだろうか?
統計力学、量子力学では、個の独立した物理量について計算することがある。
そのときに、次元の計算を行っていると考えることができる。
ただ、私としてはこの次元と日常生活の三次元の”次元”という言葉では若干意
味合いが違うように感じている。
統計力学で出てきた次元というのは、あくまで計算をするうえでの概念である。
一方で、日常的に使う三次元の次元は人間が認識できる空間の広がりであると考
えている。
したがって、日常の次元についての感覚を物理や数学の世界に持ち込むと認識の
ずれが生じて混乱するのではないだろうか。
物質に縛られた人間的な感覚や認識、常識を捨てなければ、最先端の物理の世界
には入っていけないのだろう・・・
何か哲学的な雰囲気が漂うが、昔の科学者は同時に哲学者でもあったことから、
科学を究めると哲学に行き着きそうである。
哲学と科学、相反するようなもので実は行き着く先は同じ、だとしたらなかなか
面白そうである。

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