皆さんこんにちは。今回は大学で学ぶ数学の一つ、線形代数のベクトルについて説明します。
ベクトルは高校生のときにも習うものと基本的には同じです。そのベクトルをどこまで拡張していくかが、大学と高校の違いになります。
線形代数について、シリーズで紹介していきますが、内容は私が大学生時代に使っていた参考書、”線形代数入門”(斎藤正彦 著)に沿って説明していきます。
ベクトルとは?
ベクトルという言葉は皆さんも聞いたことがあると思います。そもそもベクトルとはどういうものでしょうか?
平面または空間におけるベクトルとは、方向と長さとを合せた概念である。
“線形代数入門”(斎藤正彦 著)
長さと方向ってどういうこと?となるかもしれません。これは、物理の視点で考えるとわかりやすいと思います。例えば、電車の速度について考えます。ベクトルの長さとは電車の場合速さになります。60 km/hとかがそれにあたります。方向は、電車の場合上りと下りになります。つまり、同じ60 km/hで走行する電車でも上りと下りだと走る向きが異なります。これらはベクトルが違うということになります。
ちなみに、長さや大きさだけの量のことをスカラーと呼びます。先ほどの電車の例だと60 km/hという速さのことです。
ベクトルの表記
ベクトルを表示するためには通常矢印を使います。矢印の始点をP, 終点をQとするとき、
ベクトル
零ベクトル
一つ特別なベクトルを考えます。それは長さが0で方向がないベクトルで、このベクトルを零ベクトルと言い、oで表します。
零ベクトルは先ほどの表現を使って次のように言うことができます。
任意のベクトルaと、任意の点Pに対し、
となる点Qがちょうど一つ存在することを注意しておく。a = oの場合は、Q = P, となる。
幾何ベクトル
これまで定義してきたベクトルは幾何ベクトルと呼ばれます。平面のベクトル全体の集合を
幾何ベクトルでも演算を行うことができます。それは次回説明したいと思います。
まとめ
今回はベクトルとは何かについて説明し、ベクトルについての定義を行いました。次回は幾何ベクトルの演算について説明します。
これで線形代数:ベクトルとはを終わります。それでは、また次の記事でお会いしましょう。