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専門書が絶版で読めないとき、どうする?貴重な知識を手に入れる方法

AnnaBetlejewska / Pixabay

はじめに

専門書は深い知識と洞察を提供してくれる貴重な情報源ですが、時として欲しい書籍が絶版になってしまい、手に入れることが難しい場面に遭遇することがあります。しかし、そんな状況でも諦める必要はありません。この記事では、専門書が絶版で読めない場合に、貴重な知識を手に入れるための方法をご紹介します。

大学図書館の活用

近くの公共図書館や大学図書館に足を運びましょう。特に大学図書館には、専門書のコレクションがあることがあり、絶版の書籍も見つかる可能性が高いです。

メリット

  1. 豊富な専門書のコレクション: 大学図書館は専門書の充実したコレクションを保有していることが多く、幅広い分野の知識にアクセスできる点が魅力です。特に独自の研究や深い理解を求める場合、専門書は貴重な情報源となるでしょう。
  2. 学内外の学術資源へのアクセス: 大学図書館は学内外の学術資源にアクセスできる窓口でもあります。電子ジャーナルやデータベースなど、学問の最先端を反映した情報に接することができます。
  3. 専門家のサポート: 大学図書館には専門の図書館員が在籍しており、資料の探し方や利用方法に関するサポートを受けることができます。自分の情報ニーズに合わせたアドバイスをもらえるため、効果的な研究が可能です。

デメリット

  1. 利用制限: 大学図書館の利用には制限があることがあります。特に一般の市民や外部の人々にとって、利用が難しい場合もあります。一部の大学図書館は卒業生や在学生にしか利用を許可しないことがあります。
  2. 書籍の貸出制限: 専門書や貴重な資料は、貸出が制限されることがあります。閲覧室内での利用や、一定期間の貸出制限が設けられていることがあります。これにより、自宅や外部での利用が難しい場合もあります。
  3. 混雑や予約: 大学図書館は学内の学生や研究者によって利用が集中することがあります。特に試験期間やレポート提出期限前は、閲覧席や資料の予約が難しいことがあります。

大学図書館は専門書のコレクションや学術リソースへのアクセスを提供してくれる一方で、利用制限がある可能性があります。もし、お目当ての本が大学図書館に見つかった場合は、問い合わせしてみるのが良いでしょう。

中古書店の探索

絶版の専門書は、中古書店で見つけることができることがあります。オンラインの中古書店や実店舗を利用して、希少な書籍を探してみましょう。

メリット

  1. 入手可能性の拡大: 絶版の専門書を中古書店で見つけることで、手に入れるチャンスが広がります。専門書のニーズは個々に異なるため、中古市場で欲しい本に出会える可能性が高まります。
  2. 特化した中古書店: 専門分野に特化した中古書店は、希少な専門書を提供していることがあります。これにより、あなたが求めている特定の情報や知識にアクセスしやすくなります。
  3. 既読本の再確認: 以前読んだ専門書を再度手に入れることで、新たな洞察を得ることがあります。時間の経過とともに異なる視点や理解が深まる可能性があります。

デメリット

  1. プレミア価格のリスク: 中古専門書の市場において、希少性の高い書籍はプレミア価格がつくことがあります。需要と供給のバランスやコンディションによって、通常の価格より高額な価格が求められることがあります。
  2. 購入時の注意が必要: 中古品の状態は一様ではありません。欠けているページや傷、書き込みなど、コンディションに関する問題がある場合があります。購入前に詳細な情報を確認し、信頼性のある販売者を選ぶことが重要です。
  3. 時間と労力の投資: 中古専門書を探し求めるには時間や労力が必要です。オンラインでの検索や実際の書店巡りなど、複数の選択肢を検討するために時間を割かなければならないことがあります。

中古専門書の入手にはプレミア価格やコンディションの注意が必要ですが、手に入れるチャンスの拡大や特化した専門書店の存在などが魅力です。

復刊を希望する

絶版になってしまった本も要望があれば、復刊してもらえることがあります。

復刊ドットコムは、そんなユーザーの声にこたえるサイトで、絶版本・品切れ本をみんなの投票で復刊させる、ユーザー参加型のサイトです。
2000年のサイトオープン以来、独自の復刊活動を20年にわたり続けられており、およそ6,000タイトルが復刊されています。 最近は、復刊本のみならず、過去に復刊が実現した本の関連書籍(新刊を含む)の販売も積極的に展開し、 いわばセレクトショップ的なネット書店を運営されているため、ここを探すとほしい専門書が見つかるかもしれません。



例えば、実際に復刊が実現した例として、宇宙電波天文学という専門書があります。
電波天文学に関する日本語の書籍はこの本しかない、というぐらいの名著です。
今後、宇宙分野の発展は目覚ましいものがあるでしょうし、その基礎を作り上げた人たちの英知に触れる機会を取り戻せたのは非常に喜ばしいことです。
様々な分野において、こうした名著に触れられる機会が減ってきてしまっているのが現状だと思います。
こうした状況を少しでも変えていきたいですね。

 

ネットワークを活かす

専門分野のコミュニティやフォーラムに参加してみましょう。他の専門家や愛好者と交流する中で、絶版の書籍を持っている方に出会うかもしれません。情報交換を通じて、書籍のコピーを借りたり、購入したりする方法を模索してみましょう。

とはいえ、なかなかコミュニティをみつけるのが大変化もしれません。

デジタルアーカイブとオンラインリソース

インターネット上には、デジタルアーカイブやオンライン図書館が存在します。日本で出版されたすべての本を所蔵している国会図書館もデジタルアーカイブのサービスをしています。

国会図書館デジタルコレクション:https://dl.ndl.go.jp/ja/

絶版の書籍がデジタル化されている可能性があるため、専門分野のウェブサイトや学術機関のリソースを活用してみましょう。ただし、著作権に注意して利用することを忘れずに。

専門家へのコンタクト

書籍の著者や関連する専門家に直接コンタクトを取ってみることも一つの方法です。ソーシャルメディアや専門分野のイベントでアプローチすることで、絶版の書籍に関するアドバイスや情報を得ることができるかもしれません。

まとめ

専門書が絶版で手に入らない場合でも、諦めることはありません。図書館や中古書店、オンラインリソースを駆使し、専門分野のコミュニティと連携することで、貴重な知識を手に入れる方法があります。新たなアプローチを試み、情報を探求する姿勢を持つことが、絶版の書籍を乗り越えて専門知識を獲得する第一歩となるでしょう。

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