花火を見ながら炎色反応について調べてみようと思って、まとめ記事を書いている。今回は電子殻と電子軌道についてまとめようと思う。
電子殻と電子軌道
電子殻については、高校化学でも習うことだろう。原子は電子と原子核からなり、原子核は中性子と陽子からなる。そして、電子が原子核の周りを一定の軌道(電子軌道)で回っており、電子軌道の集まりを電子殻と呼ぶ。電子殻は一番内側をK殻と呼び、そこから外側の電子殻は順番にL殻、M殻、N殻、・・・と呼ばれる。そして、電子殻に存在できる電子の数は内側のK殻から順に2, 8, 18, 32, ・・・と増えていき、一般に
もう少し詳しく電子殻について調べてみる。電子が一定の軌道で原子核の周りをまわるというのはどういうことだろうか。古典力学で考えれば、原子核と電子、電子同士のクーロン力と遠心力が釣り合っていれば、どんな軌道でも取りえると考えられる。また、電子のエネルギーは半径が小さいほど小さくなる。すると、電子はどんどんエネルギーの小さい、より安定するほうへと移動し、すなわち原子の半径がどんどん小さくなっていくと考えられる。ところが、現実の原子はある一定のサイズで安定している。すな条件がわち、何か電子に制限がかかっていると考えられる。ここで、ボーアは光のエネルギーが
この条件を満たすような半径だけを電子は取ることができるのである。このnは整数であるが、
の値をとることができる。例えば、
これを一般化すると、
となる。少し解説すると、主量子数
電子軌道のエネルギー
ここで、炎色反応に戻ろう。炎色反応で発光が起こる理由はエネルギーの高い電子軌道に電子が遷移し、それが元の軌道に戻るときに発光するからである。電子軌道のエネルギーは
まとめ
電子殻と電子軌道について高校化学から一歩進んだ内容までまとめた。もっと詳細は量子力学について調べてもらえるとありがたい。
特に量子力学の生まれるきっかけになった黒体放射について調べてみると面白いと思う。