PC排熱で発電できるか考えてみた

毎日仕事で使っているPCは右側に排熱口があり、時々熱風がマウスを操作している右手にあたる。今日はソフトのインストールをしていたのだが、なかなか動作が重いソフトだったようで、PCに負荷がかかりかなり熱い風が手に吹き付けてきた。やけどするんじゃないかと思うぐらい熱くびっくりしたのだが、この熱をただ捨てるだけなのはもったいないなぁと感じた。熱で発電出来たらいいのになぁ・・・もしやゼーベック効果を利用すればできるのでは?と思ったので、実現できるのかどうか考えてみた。

ゼーベック効果とは

そもそもゼーベック効果とは何か?というと、2種類の金属に温度差を加えることで、自由電子が移動する、すなわち電圧が生じる現象のことをいう。詳しく言うと、まず二種類の金属の線を用意し、片側をくっつける。次にくっつけた側とくっつけていない側の2か所に温度差を与える。通常くっつけていない側の温度は2種類の金属とも同じ温度にする。例えば、くっつけた側を高温、くっつけていない側を低温にする。すると、2種類の金属の間で電位差が生じるのである。

ゼーベック効果はどこに使われているか

ゼーベック効果を使った代表的な製品に熱電対がある。熱電対は温度を測定するときに使う素子で、ゼーベック効果によって生じた電圧から温度を計算して求めることができる。代表的なものは2種類の金属を接合したものだが、ほかにも半導体で作られた熱電対もある。

Kタイプの熱電対の画像(https://www.keyence.co.jp/products/process/temperature/tf4/models/tf-c12/)

どのくらいの電圧が生じるのか

では、実際にどのくらいの電圧が熱電対で生じるのだろうか。一般的なKタイプの熱電対を例に調べてみた。室温を25℃とし、熱風の温度が75℃だとすると、生じる電圧は2.059mVとなる。http://www.ni.com/white-paper/4231/ja/#toc2

LED1つを光らせるのに必要な電圧が2V程度であることを考えると、非常に小さい電圧と言わざるを得ない。単純計算で熱電対を1000個用意する必要があるが、これはあまりにも非現実的である。しかも実際には熱電対の抵抗があるので、LEDに電流がほとんど流れず、もっと多くの熱電対が必要になりそうである。

まとめ

残念ながらPCの排熱を使って熱電対で発電することはできなさそうである。この排熱を有効活用するには、物を温めることに使うほうが良いのだろう。熱電対ではなく、機械を動かして発電することができるかもしれない。この辺はもう少し検討してみたい。

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はじめまして!”あおやぎ”と言います。
メーカーで研究開発の仕事をしています。このブログでは、私の専門分野である半導体やそれに関連する内容を紹介していきます。
半導体関連の知識をまとめたデータベースのようにしたいなと思っています。

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