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LSI 層間絶縁膜の材料の変遷

LSIにおける層間絶縁膜の変遷についてまとめられた論文を紹介する。

Hong, N.; Zhang, Y.; Sun, Q.; Fan, W.; Li, M.; Xie, M.; Fu, W. The Evolution of Organosilicon Precursors for Low-k Interlayer Dielectric Fabrication Driven by Integration Challenges. Materials 2021, 14, 4827.

https://doi.org/10.3390/ma14174827

シリコンデバイスの進歩を支える重要な要素のひとつが、集積回路(IC)内の絶縁層の誘電率を低下させることである。しかしながら、層間絶縁膜(ILD)の進化は、誘電率を下げることだけではない。

当初は、誘電率(k)を下げることが目的であり、材料の誘電率を下げるために、分極率の低い化学結合を選択し、多孔性を導入することで達成してきた。二酸化ケイ素、シルセスキオキサン系材料、シリカ系材料から多孔質シリカ材料へと移行していき、ILDの誘電率を4.5から1.5まで下げることができるようになった。

しかし、多孔質ILDは、機械的に弱く、熱的に不安定で、化学物質や水分などを吸収する性質があるため、他の材料との相性が悪い。これらの特徴は、デュアルダマシンプロセスにおけるICの集積化に多くの課題をもたらし、中でもプラズマ誘起損傷(PID)は最も深刻な問題である。

多孔質材料の発見以来、ILDの誘電率を下げることから、これらの集積化の課題を克服することに重点を移してきた。Si-C-Si 構造化合物などの補助的な前駆体、NH3 プラズマ処理などの成膜プロセス、多孔質化後のプラズマ保護処理(P4)などが考案され、集積化関連の課題を解決するために行われるようになった。ここでは、誘電体材料の分類、成膜方法、および集積化段階で遭遇し解決された重要な問題の3つの側面から、層間絶縁膜材料の進化について紹介する。過去数十年にわたる低誘電率材料の開発の概要を説明することが目的である。

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